②土づくり


 植物が大きく育つには土がやわらかくふかふかしていることが大切であることはよく知られています。だが、どうして土がふかふかであると植物は大きく育つのか、どうしたらふかふかした土をつくることができるのかとよく分からないという人が多いかと思います。ここでは、野菜が大きく育つためにはどんな土をつくればよいのか、そのためにはどんなことをすればよいのかを説明します。


野菜と菌根菌の共生

 植物が水分や養分を吸収することができるのは、根の周りの限られた一部(約1mm)です。根から直接水分や養分は体内に吸収されますが、それだけでは足りません。そこで、植物は土中の水分や養分をより多く吸収するためには根のまわりにいる土壌菌(菌根菌)と共生(ウインウイン)関係にあります。菌根菌は植物体が光合成で作った糖などの栄養分をもらう代わりに、無数の菌糸を土壌中に延ばし、土壌から吸収した水分や養分(主にリン等のミネラル)を根に供給してています。大きくおいしい野菜に育てるためには野菜と土壌菌が共生できる土壌環境にすることが必要です。

団粒土壌

 根と菌根菌との共生(ウインウイン)関係を活発にするためには、土壌の団粒化を促し、菌根菌等の微生物が増え、活性化することが大変重要です。土壌の団粒化によって土の中にすき間ができ、土がふかふかになり、根が伸びやすくなると同時に、菌根菌などの微生物が過ごしやすい環境が整います。


土壌を団粒化するにはどうしたらいいの?

土の構造

 土は物理的に見ると三つの要素から構成されています。それぞれを固相液相気相といい、土の三相と呼ばれています。固相は無機物の土粒子に、落ち葉や動物の糞、微生物、土壌小動物などの有機物を加えたものです。固相には様々な養分が保持されおり、植物はこの養分が水に溶けだしたものを根から、あるいは菌根菌などのはたらきで体内に取り込み、生命維持や成長に利用しています。

 植物が水分や養分を吸収するためには固相の隙間があって、その隙間に適度な水(液相)と空気(気相)があることが必要です。土の三相のバランスが重要です。三相のバランスは固相:液相:気相=4:3:3が理想です。森の土はこのバランスを保っています。固相の隙間は土壌の団粒化によって生じます。

 団粒土壌は、大雨の後にも水が停滞しない排水性、旱魃のときにも根に水分を与えるための保水性、根に十分な空気を送り込む通気性が保たれています。団粒土壌は適当に湿っており、触るとふかふかの土です。土壌中に適量の空気や水分があるので、植物の根や微生物、土壌小動物は土壌中の空気から酸素を取り入れて呼吸をしたり、固相の土粒子から水に溶けだした無機物(ミネラル)や、有機物が分解してできた窒素化合物などの養分を取り入れて生命維持や成長をしています。

土の団粒化と施肥

 土の団粒構造がつくられる仕組みは、微生物が有機物などを分解する時に出す分泌物やミミズの糞などには粘性物質が含まれており、それらが接着剤となって団粒構造が発達するといわれています。つまり、土壌に微生物やミミズなどが多く存在し、それらが活発に活動できる環境が整うと、土の団粒化は自然とすすみます。逆に、微生物やミミズなどが住めない土はますます乾燥しかたい土になります。

 「土が肥えている」という意味には、水分や養分がたくさん含まれている土(肥沃な土壌)という意味と、土壌微生物の種類と量が豊富で活発であると言う意味もあります。良い土とは植物が水分や養分を欲しいときに欲しい量を与える働きを持った土です。

 土に含まれる水分や養分の量だけを考えるならば、不足している養分を外から肥料として供給すればよいことになります。人工合成した化学肥料で外部から養分を補充すると、栄養面では足りていることになるが、団粒構造はできず土が固くなり、土壌中の水分(液相)や空気(気相)が少なくなり、微生物や土壌小動物も住めなくなり、ますます土が乾燥し固くなってしまいます。

 微生物や土壌小動物の食べ物である有機物(厩肥・堆肥・腐葉土等)を土に入れることは養分を供給するためだけでなく、土の団粒化をすすめ、微生物や土壌小動物がすみやすい環境をつくることにも役立っているのです。畑への有機物の投入(施肥)は不足する養分の補充と土壌環境の改善の二つの役割があります。


施肥(元肥と追肥)

(作成中)